ろう者とのフットサル交流会

2021-22年度(髙橋 徹 会長)

2022.04.16

私たちが住む社会は、「聞こえること」を前提に動いています。近年は化学やテクノロジーが発展・浸透し、効率や便利さが追及されていますが、「聞こえない世界」で暮らすろう者の方々にとってはどうなのでしょう。実はそこには様々な課題があり、ろう者の方々は決して少なくない不安と悩みを抱えていることをご存じでしょうか。
サイレンや館内放送が聞こえない。緊急時にまわりに助けを求めることが難しい。近年はマスクの着用によって、相手の表情や口の動きから言葉を読み取ることも困難になっています。
しかもろう者の方々は見た目が健常者と変わらないため、まわりに「聞こえていない」ことに気づいてもらうことが難しいのです。
「聞こえる世界」にいる私達は、普通に生活しているとそのことを知る機会がありません。きっかけは2019年3月に当クラブの60周年記念事業として、ろう者である松森果林様に「きこえる世界から聞こえない世界へ そして共に生きる社会へ」というテーマの講演をしていただいたことでした。その時感じた問題意識から、当クラブはろう者と健聴者との相互理解を図る機会を設けようと、北海道ろう者サッカー協会との共催で「ろう者とのフットサル交流会」を開催しました。
そして継続事業として3回目となる今年は、2022年4月16日(土)に札幌大学体育館にて開催。当日は、ろう者の方々やそのご家族50名以上が参加しました。フットサルの指導は元エスポラーダ北海道のフットサル選手にご協力いただき、ロータリアンだけではなく、エスポラーダ北海道の女性チームやユースチーム、北海高校インターアクトクラブなど総勢118名がスポーツを通じた交流を図りました。
ろう者と健聴者、大人と子ども、アスリートとロータリアンが手話やジェスチャーで意思疎通しながら、年齢や体力に合わせたプログラムに参加し、最後まで笑顔を絶やすことなく身体を動かしました。
参加者からは「良い経験になりました。手話にも興味を持ったので今後ろう者と関わったり、手話の勉強もしてみたいです。」「ろう者の皆さんや選手の皆さんから頑張りや楽しさをもらいました!」「耳が不自由でも気にせずたくさん交流できて楽しかったです!」と、ろう者と健聴者両方から前向きな感想が多々ありました。
互いへの理解を深める貴重な事業として、今後も継続してまいります。

(嶋中康晴 社会奉仕委員長)

札幌東ロータリークラブ事務局

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