ロータリーは、人道的な奉仕を行い、あらゆる職業において高度の道徳的水準を守ることを奨励し、
かつ世界における親善と平和の確立に寄与することを目指した、
事業及び専門職務に携わる指導者が世界的に結び合った団体です。
ロータリーの主たる目的は地域社会、職場と世界中での奉仕です。
ロータリアンは児童の危機、貧困、飢餓、環境、低識字率、暴力など
現代の最も危機的な多くの問題に対応するための地域社会奉仕プロジェクトを開発しています。
さらに教育の機会、学生、教師その他専門職務の人たちの国際交換留学、職業訓練、研修開発など
新世代に対するプログラムを支援しています。
20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。
ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポ一ル・ハリスはこの風潮に堪えかね、
友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、
仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、
という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。
ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものです。
こうして1905年2月23日にシカゴ・ロータリークラブが誕生しました。
それからは志を同じくするクラブが次々各地に生まれ、国境を越えて、今では世界200以上の国と地域に広がり、
クラブ数36,929、会員数1,181,107名(2024年4月15日RI公式発表) に達しています。
そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリーと称します。
このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んじる実業人、専門職業人の集まりなのです。
その組織が地球の隅々まで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、
幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしています。
わが国最初のロータリークラブは1920年(大正9) 10月20日に創立された東京ロータリークラブで、
翌1921年4月1日に世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。
日本でのロータリークラブについては、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、
海外拡大に情熱的に取り組んだ、初代事務総長チェスリー・ペリーと、
創立の準備に奔走した米山梅吉、福島喜三次などの先達の功を忘れることができません。
その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われ、1940年に国際ロータリーから脱退します。
戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しますが、この時、
復帰に尽力してくれたのが国際ロータリーの第3代事務総長ジョージ・ミーンズでした。
その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚しいものがあります。
ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。
現在、日本全体でのクラブ数は2,205クラブ、会員数83,480名(2024年3月末現在)となっています。
ロータリーには二つの奉仕理念があります。
その一つは事業の継続的な繁栄を願う「職業奉仕」理念であり、その理念をOne Profits Most Who Serves Best
(最もよく奉仕する者、最も多く報いられる)というモットーで表しています。
もう一つは、弱者など他人のことを思いやり、他人のために尽くす「人道的奉仕活動」であり、
その理念をService Above Self (超我の奉仕)というモットーで表しています。
ロータリー創設者ポール・ハリスはその著書の中で、ロータリーの「奉仕の理想」について、
『ロータリーの概念する奉仕の理想とは、物の過程の最初に奉仕を置くものである。
最も愚かな方法は金銭に集中することである』と述べています。
地域社会、職場と世界中での奉仕を主たる目的に掲げるロータリーでは、
具体的な奉仕活動を、「クラブ奉仕」、「職業奉仕」、「社会奉仕」、「国際奉仕」および「青少年奉仕」
の五つの主要な分野にわたり展開しています。
それぞれの分野での活動を通じて、ロータリアンはより良い社会を築くために尽力しています。
職業人としてのロータリアンの心構えを、一般の職業人にも理解できるように、
簡潔かつ的確にまとめたものが「四つのテスト」です。
創案者であるシカゴ・ロータリークラブの会員ハーバート・テーラーが、
倒産の危機に瀕していたクラブ・アルミニウム社の社長に就任したとき、社員たちの
倫理的価値観の簡潔な指針として考案したのが始まりです。
諸事決定を下す際の基本指針として四つのテストを採用した同社の業績は改善を続け、
後に多額の配当金を分配するまでになりました。
1954年、彼がRI会長に就任したとき、その版権がロータリーに寄付され、
四つのテストは世界各国の言葉で翻訳されて今なお広く活用されています。